名古屋工場で「サマーサイエンススクール」開講
ファイザー名古屋工場(以下、名古屋工場)と愛知県知多郡武豊町は、未来を担う子どもたちに“サイエンスをもっと身近に”感じてもらうことを目的に、20年以上前から「サマーサイエンススクール」(以下、サイエンススクール)の共催を続けています。
新型コロナウイルスの影響で「休講」していましたが、2023年、4年ぶりに開講。学校が夏休みに入って間もない7月、名古屋工場に地元の小学校5年生と6年生合わせて20名が集まりました。子どもたちは、薬に関する全般的なことを学んだ後、社員のサポートのもと「錠剤づくり」の実験にチャレンジしました。その後は、実験の振り返りや薬に関する社員への質問タイムに参加しました。
「おくすりハカセ」として、実験内容の立案および当日の解説などを担当した名古屋工場のT.A.(先端・解析技術グループ生産技術センター)のインタビューをまとめました。
“サイエンスをもっと身近に”と2000年から継続開催
私が勤務するファイザー名古屋工場は、世界で数十か所あるファイザーの製造供給拠点の一つです。1967年の設立以来、医薬品の製造、安定供給、剤形改良に重要な役割を担っています。
サイエンススクールは2000年に始まり、毎年、名古屋工場の社員がボランティアでプログラムの企画・運営をしています。日本の皆さまの「ヘルスケアパートナー」であるファイザーとして、子どもたちが楽しみながら“サイエンスをもっと身近に”感じてもらえるよう、科学実験の基本を体験する内容としています。近年は、製薬企業の工場で開催するからこそ体験できる「錠剤づくり」の実験を取り入れています。
子どもたちのなぜ?どうして?どうやったら?を大切に
社員がアイディアを出し合い、今年は錠剤を作るだけでなく、溶かした時の崩れ方や溶け方を観察するプログラムを作りました。口の中で唾液あるいは少量の水分でも速やかに崩壊する「口腔内崩壊錠(OD錠)」の設計・製造技術を持っている名古屋工場ならではの実験と言えるでしょう。
実験では、色と性質が異なる4種類の粉を用意。グループに分かれた小学生たちはそれぞれを臼に入れ、杵で叩いて固め、錠剤の形にしていきました。それぞれの粉について、臼への入れやすさや、できあがった錠剤の厚さの違いを確認しました。
次に、作った錠剤をビーカーの水に入れて溶かす実験を行いました。その崩れ方、溶け方の違い、たとえば水の中でいったん膨らんで一気に溶けるといった様子を観察しました。
実験中は、各グループに配置された社員が「この錠剤はさっき作ったものよりも固いけど、固いとどんな良い点や悪い点があるのかな?」など、問いかけやヒントを出していました。
2つの実験の後には、小学生たちが「独自の実験」にチャレンジするセッションもありました。4種類の粉を同時に混ぜたり、ミルフィーユのように層状に重ねたり。どのグループもとても盛り上がっていました。
質問タイムでは、薬の飲み方などに関して質問が途切れず、薬剤師資格を持つ社員などが一つひとつ答えました。
サイエンスの楽しさが、「次の学年」にも伝わる
サイエンススクールの企画・運営は、幅広い世代の社員が協力して取り組みます。錠剤製造から品質管理、技術開発、生産管理まで、様々な部署の社員が「サイエンスをもっと身近に」感じてほしいという思いを持って参加しています。
今年も約20名の社員が集まり、講義・質疑応答、実験のヒント出し、実験の安全管理、昼食や移動手段の手配などを分担。私は今年初めて参加し、「おくすりハカセ」として、実験内容の立案や当日の解説などを担当しました。小学生たちが講義も実験も熱心に取り組み、非常に楽しんでいる様子が伝わってきて、私自身楽しい一日を過ごしました。
参加した小学生たちがサイエンススクールでの経験を、家庭で親や兄弟姉妹に話すことで、次の学年、また次の学年へと伝わり、良い評判が地域に広がっているように思います。実際、参加者のアンケートに「兄が参加して楽しかったと聞いたので、ぜひ参加したかった」という声がありました。
この経験をきっかけに、サイエンスや医薬品に興味を持った子どもが、10数年後、私たちと一緒に働く未来が訪れるかもしれないと想像するととても楽しみです。
関連リンク
■ 【メディア掲載:CACかわら“番”】
「サマーサイエンススクール」(ファイザー名古屋工場にて開講)が取材を受けました
https://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/external-communication/2023-08-16
■ 【“患者さん”を考える】剤形追加・変更で、より服用しやすく
https://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/external-communication/2023-05-10
■ ファイザー名古屋工場、日本の品質や技術を世界へ
https://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/external-communication/2022-12-09