温室効果ガス削減に向け、若手社員による「草の根」の取り組みから
地球規模の気候変動は、私たちの時代が抱える最重要課題の一つです。気候変動がもたらすリスクを減らすために、全世界で、また企業の枠を超えて協働する必要があるとファイザーは認識しています。
ファイザーはグローバル全体で、温室効果ガス(以下、GHG: Greenhouse Gas)排出量を削減し、2040年までに研究・開発から製造・流通・販売等のバリューチェーン全体でネットゼロ基準*1を達成することに取り組んでいます。
ファイザー日本法人もグローバルの方針に則り、気候変動への対策を積極的に実施しています。その対策の一つが、社員一人ひとりの意識向上と行動変容を促す「ネットゼロ プロジェクト」です。プロジェクトのリード兼スポンサーである吉田晴彦(執行役員 バイオファーマオペレーション ジャパンリード)は、「将来のファイザーを担う若手社員が中心となり、『草の根』の取り組みを続けています」と話します。吉田へのインタビューをまとめました。若手社員の活動インタビューはこちら。
ファイザー社として世界全体での目標設定
ネットゼロとは、二酸化炭素(CO2)などのGHG排出量を吸収量と「差し引きゼロ」にすることです。ファイザーでは、この取り組みについてバリューチェーン全体を対象にしており、グローバル全体で科学に基づく目標設定イニシアチブ(SBTi)に基づいて取り組んでいます。
ファイザーは気候変動対策として、グローバルで次のような長期ビジョンを掲げています*2。
2019年のベースラインと比較して、2040年までに、スコープ1および2の温室効果ガス(GHG)排出量を95%削減し、バリューチェーン(スコープ3)排出量を90%削減することを目標とする
スコープ1とは自社が直接排出するGHG、スコープ2は他社から供給された電気などを使用することで間接的に排出するGHG、スコープ3は自社の事業に関連してパートナーである他社が排出するGHGのことです*3。
この目標を達成するための中間指標として、以下の項目も掲げています。こうした短期的な取り組みも継続します。
2030年までにスコープ1および2のGHG排出量を2019年のベースラインから46%削減する
2025年までに電力の80%を再生可能エネルギーから調達し、2030年までに100%を調達する
2019年を基準として、2025年までに原料の調達や配給に関わる排出量を10%、出張に関わる排出量を25%削減する
サプライチェーン全体の変化を加速させるために、商品とサービスを提供するサプライヤーの64%(支出ベース)に、2025年までに科学的根拠に基づくGHG排出量削減目標を設定するように働きかける
ネットゼロで人々の健康に寄与
これらの目標は、ファイザーがより明確かつ計画的にGHG排出ガス削減にコミットしていることを表しています。医療用医薬品・ワクチンを生みだすすべての過程、つまり、開発の段階から、承認を取得して製造販売・物流、廃棄に至るまでを通してネットゼロ基準*1を達成するということです。
「患者さんの生活を大きく変えるブレークスルーを生みだす」というファイザーの企業目的は、医療用医薬品やワクチンに関してだけではありません。将来の世代に「健康な地球」を残すため、ネットゼロを達成することも、人々の生活に寄与する「ブレークスルー」であり、企業責任であると考えています。
ファイザー日本法人が社内外で使用する資料の印刷・封入・梱包や発送、動画撮影・編集などを主に行なう横浜パッケージセンター(YPC)内に、使用済みコピー用紙を再生紙としてリサイクル可能な製紙機を導入しました。これは、事業全体での取り組みの一例と言えます。
若手社員を中心に草の根活動
「ネットゼロ プロジェクト」は、若手社員が中心となって活動しています。自分たちで何ができるかを考え、将来のファイザーを担う社員の一人として高い意識を持って取り組み、先行して取り組んでいる名古屋工場の取り組みを学び、まず営業車からのGHG削減と、オフィスの電力消費量の適正化にフォーカスしました。「社員一人ひとりのマインドを変えないと成功しない」という声も上がり、草の根の取り組みを開始し、今は社員だけでなく、その家族、自社のパートナー、そして、私たちの顧客や地域を巻き込むことも意識しています。
チームは「出てきたアイデアを否定せず、課題を話し合って、より良いアイデアにしていく」というスタイルで進めています。その結果、新たな価値が見つかり、メンバー自身のため、ファイザーのため、地球のためになればよいと考えています。私たちシニアメンバーは、チームの議論が進展しない時にはアドバイスすることもありますが、若手社員から学ぶこともたくさんあり、世代や立場を超えて活動をしています。
「できない」という先入観を持たず、「失敗こそ価値がある」という気概でぜひチャレンジしてほしいと思います。通常業務とは全く異なる経験を積むことや、グローバルのメンバーと一緒に活動することを通じての若手社員自らの成長と、そして彼らの生みだす「健康な地球を残す」という「ブレークスルー」による地球規模の貢献を期待しています。
関連リンク
■「ネットゼロ」に向け社員の意識向上
https://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/external-communication/2023-07-19-02